先日、来年度の「プリセプター」たちと一緒に話をした。
プリセプターとは、「新人の教育係」のようなものだ。
毎年、1人の新人につき、1名マンツーマンで付ける。
プリセプターは、主に3年目の看護師を振り当てるようにしている。
若い人の方が、新人の気持ちが理解できて良い・・・というメリットもあるが、プリセプターを経験することで、自分たちの「未熟さ」にも気づいてもらいたい・・という狙いもある。
「自分が出来る」と「他人に教えられる」は全く違うのだ。
プリセプターには、事前に研修を行うようにしている。
いわば、「プリセプターとしてあるべき姿」の設定である。
「KJ法」という手法を用いて、「どんな新人が入ってくると思う?」と問う。
約5分で、ポストイットに思ったことを書いてもらう。
- 社会性の無い新人
- 挨拶のできない新人
- コロナで実習がなかったので、知識はまとめられているかもしれない
- 実習時間が減っているので、リアリティショックが大きいかもしれない
- 電話の対応方法がわからないかもしれない
- 報連相の方法を知らない
など、自由に書いてもらう。
そして、出た意見をカテゴリーに分ける。
その後、出た意見に対して、「この新人にどのようなサポートが必要と思うか?」と問う。
- 話しやすい環境づくり
- 報連相のタイミングや内容を教える
- 社会人としての心得を教える
- 知識を共有する
など「サポート方法」を共有する。
最後は、「自分たちはどのようなプリセプターになる?」と質問して、それも書いてもらう。
このような作業を40分程度行う。
とても大事な作業である。
この中で、一人のスタッフ(Aさん)が「新人に辛い思いはさせない」と話していた。
Aさんは新人の時に、他の病棟で上手くいかず、半年くらいで私の部署に異動になったスタッフである。
前の病棟は、新人に対しての風当たりが強く、朝は7:30に出勤し、日勤終わりが21時~22時・・しかも先輩のチェックが終わるまで帰れないという環境だったそうだ。
話を聞いた時、「同じ病院でもこんなに環境が違うのか・・・」と唖然としたが、「そのような思いは新人にさせたくない」と話していた。
私たちは環境に左右されやすい動物である。
先輩に厳しくしつけられた人は、後輩にも厳しくしつけようとする傾向にある。
それが「正しい教育」と思い込み、個別性を良しとしない場合が多い。
しかし、私たちは変われる。
先輩からいじめられた人でも、後輩に優しく接する方を選ぶ事ができる。
自分たちの代で、嫌な経験は断ち切る。
こういう「想い」を持っている事に感動した。
来年度の新人がもうすぐやってくる。
どんな新人が来るのか・・・不安半分、楽しみ半分・・・
しかし、私たちのチームメンバーになる以上、教育していくしかない。
みんなで一緒に頑張ろう!