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「ゆとり」を大事にする

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無駄の削減は良いことなのか?

管理職(師長)になると、現場の看護を行う機会は少なくなるが、代わりに「会議」「プロジェクト」を担う機会が増える。

  • ○○会議の出席(必須)
  • プロジェクトリーダー
  • ○○委員会

など、複数の会議や委員会をかけもつ事になる。

 

私たちは「スピードの時代」と言われる時代に生きている。
2〜3年前に『成功の秘訣』といわれていた事も、すぐに役に立たなくなる。

短い時間により多くの仕事を行う事を要求される。

もっと早く
もっとたくさん
少ないスペースで
コストを削って
我慢強く
品質を上げて

たいていの管理者は日々の事を振り返る余裕はなく、目の前に流れ来る問題を「モグラ叩き」のようにこなしていく。

そこには、計算する時間も、分析する時間も、考案する時間も、訓練する時間もない。

 

以前より「低コスト」で「早く」できるようになっているハズであるが、仕事は増える一方である。

相変わらず昼休みはほとんどない。

スピードを上げれば上げるほど、軌道修正が難しくなる。

車と同じ、スピードを上げればハンドルを切り損なう。

ハンドルを切り損なったドライバーには事故死が待っている。

 

無駄(スキマ)があるから考えられる

 

以下の図のようなゲームを知っているだろうか。

番号ゲーム

塗りつぶしたマスは「空欄」である。

私は小さい頃、このゲームで時々遊んでいた。

数字が書かれたタイルを動かして、順番通りに並べるゲームである。
一つしか空きがないので、これが意外と難しい。

私はこのゲームが苦手であった。

 

 

もしこの「スペース」を「ムダなもの」と考えた人がいたらどうだろう?

「一つスペースが空いていますよね」
「効率を上げるために、埋めてしまいましょう・・」と『改良』されたらどうなるだろうか?

番号

そんな事されると、二度と並び替えることができなくなる。

 

この空きスペースは「ゆとり」である。
ゆとりがあるから、考えて、動かして、次に進むことができる。
自由度があるから「変化」することができる。

 

「ゆとり」がないと効率が落ちる

 

手帳に予定がびっしりの人を見たことがあるだろうか。

本人は「効率よく」動いているつもりかもしれない。
タスクの切り替えには、必ずロスが発生する。
(これに関しては、いつか記事にしたい)

ゆとりを無くせば無くすほど効率は落ちるし危険なのだ。

 

このブログで何度も紹介している私の愛読書『7つの習慣』には「刃を研ぐ」という作業がある。
ノコギリは、ずっと使っていては効率が落ちる。
刃を研ぐことで効率が上がる。

方向性が間違っていれば、いくら急いでも、間違えた場所に早く到着するだけだ。

 

「効率を上げる」為に『タスクを増やす』のは良くない。

 

仕事を増やしたがる看護師たち

看護の世界では、事故が起こればすぐに「チェックリスト」を作りたがる。
それを「仕組みづくり」と勘違いしている人も多い。

しかし「チェックリストを付けること」が新たなタスクになる事を見逃してはいけない。
タスクを増やしてスキマを無くすということは、同時に何かを失っているかもしれない。

 

新たなタスクを増やせば、私たちにゆとりがなくなる。
新たなインシデントが発生する可能性もあるのだ。

もし取り組むなら「何かを止められないか」と考えてみてはどうだろう。
ゆとりが生まれれば、目の前の出来事に集中できる。

 

看護師が暇そうに会話している?
バタバタ走り回っている看護師よりマシである。

余裕のある看護師と、余裕の無い看護師。
あなたならどちらに看てもらいたいか?

当然前者であろう。

 

ゆとりは必ず確保しておかなければならない。

 

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この記事を書いた人

【めで師長】
ある総合病院で看護師長をやっています。
看護師経験は20年以上で、精神科・ICU・内科病棟の経験があります。

Twitterで書ききれない内容をブログの中で好き勝手書いています。
このブログが誰かのお役に立てれば幸いです。

※ブログの更新は不定期です。

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