「わからない事は自分で調べる」
社会に出て、よく言われる言葉である。
最近はインターネットが当たり前の時代になり、たいていの事はググれば出てくる。
わからないことがあっても、数秒後には「何らかの」情報は得られる。
理解できるかどうかは別として、簡単に情報は入ってくる時代になった。
私たちが若い頃は「わからない」と思った時にメモをしなければ、絶対に後から思い出すことはできなかったが、今ならスマホでその場で調べられる。
便利な世の中になったものだ。
しかし近年、学んだことが「ベッドサイドで活かせていない」という事象が起こっている。
私が若い頃にもこういう事象はあったのかもしれないが、目立つようになってきたように思う。
断片的な理解は進んでいるかもしれないが、それぞれの情報につながりが無い。
本を読まない人が増えている影響もここに出ているのかもしれない。
気づかないうちに情報の整理ができていないのだ。
私は看護雑誌の「エキスパートナース」と「看護管理」は毎月読むようにしている。
専門的な分野の知識を得るには、専門誌からの情報が一番手堅い。
正しい情報はインターネットには書かれてないし、「雑音」が多すぎる。
情報が雑なので、読むのに疲れる。
要するに、ネットの情報は、時間ばかり取られ、内容が頭に残らないのだ。
本を読むときは「通読」するようにしている。
「はじめから終わりまで全てに目を通す」のだ。
目次や検索ページから「一部」を探すのでは無く、「通読」する。
こうすることにより、全体を知ることができる。
本の読み方まで人にとやかく言うつもりは無いが、「通読」をするようにしてから、つながりを感じられるようになった。
ある項目で知ったことが、他の項目の整理を助けている。
こうして頭の中が体系的に整理されていくのだろう。
私は、雑誌の特集や本の作成に関わった事があるが、全てのページには「人の手」が入っている。
その人の「工夫」や「思い」がそこにはある。
何も考えずに書かれた物では無い。
本の読み方は人それぞれかもしれないが、はじめから最後まで読んで、本の中身を知ることが礼儀ではないかと最近は思いはじめた。
若い人には特に、一度やってみてほしい。
知識が整理されるだけでなく、達成感や自尊心まで育ててくれるはずである。
結局、短時間で多くの知識が残る。
皆さんにおすすめしたい。